歴史を塗り替える!
全国高校サッカー選手権で青森山田が9日、県勢初の決勝切符をかけて関大一(大阪)との準決勝(国立)に挑む。勝てば、06年度優勝の盛岡商(岩手)以来、東北勢3大会ぶり6度目の決勝進出となる。その頂上決戦に導くのは、今大会3戦3発で得点ランキング3位のFW野間涼太(3年)だ。進学予定の明大が、先の大学選手権を51年ぶりに制したことを励みに、得点王と優勝の2冠を狙う。
あこがれの聖地に立つ時が来た。幼稚園時代から、何度も足を運んだ国立だが「プレーするのは初めてなので緊張しますね」と野間。目標は優勝だが「まず関大一に勝たないと意味がない。相手の得点は8割がセットプレーから。自分が守備に回ってでも勝利に貢献したい」と気を引き締めた。
目指すは得点王だ。現在3得点でランキング3位。5得点で1位のルーテル学院(熊本)FW山本が敗退しており、トップに躍り出る可能性を残す。「意識しないようにしてるけど、やっぱり(優勝と得点王の)タイトルを取らなきゃ、という思いはありますね」と意識はしている。
前回大会の前にMFからFWにコンバート。だが、1回戦の鹿児島城西戦で点取り屋の仕事を果たせず、3-4で敗退した。「2トップに抜てきされながら、何もできなかった。その悔しさで、いい選手になったよ」と黒田監督は代弁。今が成長を示す時だ。
4月に入学予定の明大からも刺激された。6日の全日本大学選手権。決勝で福岡大を2-1で下し、51年ぶりに優勝した。当日は千葉県内から都内への移動日で観戦できなかったが「自分も勝ちたい。日本一の一員になる前に高校日本一になりたい」。次のステージには、大会NO・1ストライカーの肩書を持って殴り込むつもりだ。
まずは県勢初の決勝進出に全力を尽くす。9年前は草津東に0-2で敗れたが「当時の借りを返す力が、今の子たちにはある」と黒田監督。その目の先に、東北勢3大会ぶり4回目の優勝も見据えた。【木下淳】