全国高校サッカー選手権の準優勝から一夜明けた12日、青森山田イレブンが次なる目標に向かって誓いを新たにした。涙は、山梨学院大付に敗れた11日の決勝で忘れ、晴れ晴れとした表情で集合。MF椎名伸志主将やU-17日本代表DF中島龍基ら3年生が笑顔を取り戻し、都内の宿舎から青森への帰路に就いた。

 新主将候補のMF柴崎岳(2年)は、既に気持ちを切り替えていた。県勢初の準優勝にも「悔いがないとは言えないし、この悔しさを糧に1年間で新チームを作らないと」。地元へ優勝旗を持ち帰る夢は持ち越したが「来年も同じ地に立ちたい。ただ、今日は胸を張って帰らないと失礼です」と表情をやわらげた。

 深夜まで思い出を語り合ったせいか、普段より遅い朝7時に目覚めたというMF椎名伸志主将(3年)は「青森の方々に早く感謝したい」と吹っ切れた様子。一方で、招集されている2月の日本高校選抜は辞退する考えを明かした。前十字靱帯(じんたい)を断裂した左ひざに痛み止めを打って全5試合に出場。今春の流通経大進学を見据えて治療に専念する。初優勝へ再挑戦する下級生と、新天地へ踏み出す3年生が、新たなスタートを切った。【木下淳】