<高校サッカー:久御山2-2(PK3-2)流通経大柏>◇準決勝◇8日◇国立
久御山(京都)が優勝候補の流通経大柏(千葉)を下し、京都勢18年ぶりの決勝進出を決めた。激闘の末、PK戦を制した。司令塔のFW坂本樹是(3年)が、2点目のゴールを決めチームをけん引。左太もも負傷を抱えるエースの活躍で、67年度大会の洛北以来、京都勢43年ぶりの優勝を目指す。10日の決勝(国立競技場)は3大会連続で初の決勝進出同士の組み合わせとなる久御山-滝川二(兵庫)の対戦。38年度の神戸一中(兵庫)-滋賀師範以来72年ぶりの関西対決となった。
聖地「国立」で「京都のバルセロナ」の司令塔、坂本が輝いた。1-1で迎えた後半29分、左サイドでボールをキープすると、ドリブルで中央へ進入。右足で放ったシュートが相手選手に当たり、大きく跳ね上がったボールがGKの頭越しにゴールに吸い込まれた。
坂本は「うれしくて何も考えられなかった」と貴重な勝ち越しゴールを振り返った。同点に追いつかれたが、PK戦では3人目のキッカーとしてきっちり決めて勝利に貢献。「初の国立で勝ててよかった。ここまできたら優勝したい」と胸を張った。
チーム戦術は「バルサ風」のパスワーク。その中心選手として、この日は左サイドで起点となった。細かなステップでのドリブルは、同校のグラウンドで磨かれた。土で起伏があり、照明も2基しかないため、冬場は夕方になると暗くなってしまう。そのため、ボールコントロールは集中力を要する。坂本は「国立の芝はやりやすかった」。
2回戦の座間(神奈川)戦で左太ももを打撲。準々決勝の関大一(大阪)戦は万全ではなく、途中交代だった。だが、この日はフル出場で復活をアピール。進路が未定のため「就活弾」でもあった。松本監督も「調子は上向き」と太鼓判を押す坂本が、京都勢43年ぶりの悲願を目指す。【塩谷正人】