<高校サッカー:富山第一3-2星稜>◇決勝◇13日◇国立

 石川県勢初の優勝はならなかった。星稜は2点を奪い、後半41分に疲労の見えた主将MF寺村介(3年)を下げて守りに入ったが、その直後に1点を失い、ロスタイムにまさかのPKを献上。準決勝までは無失点だったが、延長戦の末、無念の逆転負けとなった。

 全日本ユース(現高円宮杯)、高校総体でも準優勝の経験があり、今年で就任29年目の河崎監督は「味わったことのないプレッシャーがあった。2-0まではプラン通りだったが、追いつかれて私も興奮状態だった。最後に勝たせてやりたかったし、私も勝ちたかった。言葉にならない」としんみり。普段はジョークを交えて笑いを誘う軽妙トークはなかった。

 寺村は「2点取って、全選手、監督も油断している部分があった。悪いところがどんどん出てしまった」。優勝することで「本田の星稜」と呼ばれる歴史に終止符を打ちたい思いが強かった。それでも、本田がセリエAデビューを果たした日本時間では同じ13日に、その先輩が出場した04年度の4強を超える準優勝。寺村は「監督から『誇りに思え』と言われたのでそう思いたい。もし本田さんに言えるチャンスがあるなら、国立で1回勝ちましたと言いたいですね」と胸を張った。【福岡吉央】