<アジア杯:日本1-0オーストラリア>◇決勝◇29日◇カタール

 延長戦に突入した死闘を、日本代表のザッケローニ監督の采配が切り開いた。後半途中でDFの長友を中盤に上げ、延長前半にはFW前田に代えて李を投入。延長後半4分の決勝点は、最後まで運動量が衰えなかった長友の左サイド突破からのクロスを、中央でフリーになった李が左足ダイレクトボレーで決めた。韓国戦では冷静に見えたザッケローニ監督だが、この日は感情をむき出しにして大きなアクションを見せ、目を見開いて選手たちに指示を送った。

 試合後は興奮を抑えきれない様子で「最高の勝利だ。最高のチーム。こんなに強い相手に勝ってくれた。みんな疲れていたが、チーム力で乗り切ることができた。素晴らしいことだ。(李の投入は)やってくれると信じていた。前田という空中戦に強い選手を外さなければならなかったが、思い切って出した。このチームはベンチスタートの選手が結果を出してくれる」とまくし立て、喜びの大きさを見せた。