日本代表MF本田圭佑(24=CSKAモスクワ)が、自らのゴールでアジア制覇と大会最優秀選手(MVP)をつかみ取る。28日にアジア・サッカー連盟(AFC)の発表した大会MVP候補4人に選出。今日29日の決勝オーストラリア戦で「2冠」を狙う。
「相手がどこであろうとも目標は優勝」。大会前からの公約達成に加え、さらなる栄冠を獲得するチャンスが出てきた。AFC発表のMVP候補は本田圭、GKシュウォーツァー(オーストラリア)、MF朴智星(韓国)、MFジェパロフ(ウズベキスタン)の4人。優勝すれば本田圭がMVPに輝く可能性が高い。
連覇した00年レバノン大会でMF名波、04年中国大会ではMF中村俊がMVPを獲得。「アジアで戦えなければ世界で戦えない」と話す本田圭が、その言葉通りのプレーでオーストラリア撃破に導き、日本が誇るレフティーに続けば、さらに不動の立場を確立できる。
27日に「オレにないものを持つ」と評する「弟分」MF香川真司(21)が右足小指骨折で離脱するショッキングな事件が起こり、相手も06年ドイツW杯での敗戦以来2敗2分け(1PK戦勝ち)と相性の悪いオーストラリア。苦境に変わりはないが、本田圭には日本や所属クラブの「救世主」となった過去がある。
10年3月のアジア杯予選バーレーン戦では、同2月の東アジア選手権の大苦戦で逆風の日本を救う駄目押し点を奪い2-0の勝利に貢献。惨敗が予想された同6月の南アフリカW杯でも1次リーグ初戦カメルーン戦で決勝点、デンマーク戦で先制FK弾を決めて決勝トーナメント進出に導いた。オーストラリア戦も、大一番の強さ、まさに「持っている男」の真骨頂を発揮する舞台となる。
「ゴールのイメージは常に持っている。どれだけ自信を持ってプレーできるかが大事」と26日の練習後に話していた本田圭。自らのゴールの先にはアジア制覇、そしてMVPがある。【菅家大輔】