右第5中足骨骨折で代表を離脱した日本代表MF香川真司(21)が29日、帰国した。25日アジア杯準決勝韓国戦で負傷し、27日所属クラブのドルトムントに一時合流。クラブの優勝がかかっているが「シーズン最後の1カ月前に戻る」と宣言した。
今後の治療、リハビリについて、成田空港では「まだ何も決まっていない」と話したが、都内の病院に直行し、そのまま入院。近日中に手術を受けるとみられる。09年11月にも同じ箇所を疲労骨折し手術を受けていて、このときはスクリューで内側から固定した。全治1カ月で、残りのシーズンを欠場している。
今回、ドルトムントからは日本での治療を許可された。アジア杯離脱後に直行したドイツでの診断では、3カ月以上かかるとされた。クラブの全員が若きエースの負傷を残念がったという。それでも香川は「どうやったら早く治るかということを話してきた」とチームへの早い合流を考えている。クロップ監督は「この負傷で3カ月以内に治った例はない。今季絶望は決まった」と断言した。しかし香川は、あえてそれを否定した。「優勝のピッチに立てるように」とシーズンが終了する5月14日の1カ月前の復帰を目標に掲げた。酸素カプセルなど、回復のためにはあらゆる手段を用いるつもりだ。
途中離脱となったがアジア杯では2得点2アシストと代表での存在感を見せた。「強い気持ちを持ってリハビリする」。香川が、誰も経験したことがない復帰までの道のりを歩み始めた。【加納慎也】