<アジア杯:日本1-0オーストラリア>◇29日◇決勝◇カタール
【ドーハ(カタール)=30日】アジア杯を制したザックジャパンにイタリア遠征計画が浮上した。日本代表(FIFAランク29位)はオーストラリア(同26位)に勝利し、2大会ぶり4度目の優勝を果たした。一夜明けた30日、世界中で日本の評価が急騰。さっそく日本サッカー協会関係者は2013年2月または14年3月に、アルベルト・ザッケローニ監督(57)の母国イタリアに遠征し、同国代表と親善試合を組む可能性を明かした。「不敗のアジア王者」の金看板で、14年W杯ブラジル大会へ向け、武者修行が実現しそうだ。
アジア制覇達成から一夜明けた30日、ザッケローニ監督は「欧州で(合宿や試合を)やりたい。欧州には選手が多くいる。欧州での合宿はチームの日程があるので、それを尊重しながらやりたいと思う」と明言。早くも新たな強化策の一端を口にした。
今大会3位以内に入り、次回15年オーストラリア大会のシード権を確保したことで、アジア杯予選が消滅した。この日、原博実強化担当技術委員長は「相手や場所は決まっていないが、昨夜も監督とアジア杯の予選がなくなり日程が空くこと、欧州遠征の話もしました」と明かした。ここで浮上したのが監督の母国イタリアへの遠征だった。
アジア杯予選開催日だった13年2月6日と14年3月5日が有力。日本協会関係者も「ザッケローニ監督は将来的にイタリアとの親善試合を希望している。そのあたりの日程が現実的」と証言した。もともと日本協会はイタリア協会と良好な関係を築いており、ザッケローニ監督の持つパイプも太い。
本来、イタリアなど欧州強国とのマッチメークは難しいが、今大会の優勝でザックジャパンの評価が世界中で急上昇したことも追い風になっている。その相乗効果で強豪国とのマッチメークがしやすくなった。事実、00年アジア杯で優勝したトルシエジャパンは01年3月にトルシエ監督の母国フランス、4月にスペインと強豪2連戦を実現させている。
「14年ブラジルW杯に向け、アジア杯で若い選手が経験を積み、成長できればいい」と常々話していたザッケローニ監督。今大会で得た「収穫」を14年W杯へ向けた次の強化へと生かしていく。