<アジア杯:日本1-0オーストラリア>◇29日◇決勝◇カタール

 3戦連続で誕生したラッキーボーイがザックジャパンをアジアの頂点に導いた。FW李忠成(25=広島)が勝負を決めた。延長前半8分から途中出場し、同後半4分に長友の左からのクロスに合わせ、相手DFのマークを外し、左足ボレーで値千金の決勝弾。「ニアに動いたら相手DFがついてきたので、ファーに逃げた。きれいな得点を取れた」と振り返った。

 今大会の出場機会は9日の1次リーグ・ヨルダン戦の途中出場のみ。「監督も『いい動きをしている。頑張れ』と言ってくれていた」。我慢の先に、準々決勝カタール戦で決勝点のDF伊野波、準決勝韓国戦で得点したMF細貝に続く、控え組の星となった。

 韓国籍ながら07年2月に日本国籍を取得。日本を背負う気持ちは強い。「僕は日本で育ち、韓国の文化の影響を受け、日本の文化の影響も受けた。その中で日本人としてこの大会で優勝したのは特別な思いがある」。この得点を代表定位置確保への第1歩にする。