<15年8月、京都合宿(練習試合=対京都)>
世界と戦う心を鍛える試みとして「座禅トレーニング」を行った。合宿は8月23〜26日に京都で開催。3回の練習に加え、最終日に京都と練習試合が組まれた。それとは別に25日午後、チームは同市右京区の妙心寺退蔵院を訪れ、座禅を組んだ。
ローマ法王に招かれ面会するなど世界的に有名な松山大耕副住職(36)の下、15分間の精神修養。法話も聴いた後は、3分の2の希望者が左右2回ずつ肩をたたかれる「警策」を受けた。
同院は江戸時代初期の剣豪、宮本武蔵が修行したとされる場所。40分超の法話の中で「宮本武蔵は、あらゆる手段を講じ勝つことだけ考えていた。『心技体』の心を鍛えないといけない」と松山副住職から指摘された。さらに「何が何でも点を取って勝つ。それを就寝中も食事中も考えるのがプロ」と説かれ、宮本武蔵が残した兵法書を読むことを勧められた。
その書名は「五輪の書」。リオデジャネイロ五輪を狙う世代にとって、縁を感じずにはいられないタイトルだった。宮本武蔵が名前の由来のFW鈴木は「生まれて初めて座禅を組み、汗をかきました。心を無にすることは難しかったですが、勝つために大事なこと。『五輪書』を読んでみたい」と感銘を受けた。手倉森監督も「心の訓練は非常に奥深く人生すべてが修行。すぐに変われなくとも、今日がきっかけになると確信しています」と語った。
▼練習試合(対京都)1●2【得点者】前田直輝
2点を先制され、終了間際に1点を返すのが精いっぱいだった。初招集の最年少19歳、FW鎌田大地(鳥栖)のアシストで、MF前田直輝(松本)がゴールを決めた。
チームは前半、4-2-3-1の布陣を敷いた。GK櫛引。4バックは左からDF亀川、奈良、植田、伊東。ダブルボランチはMF原川と、初招集のMF川辺。2列目に左からMF矢島、中島、野津田。1トップにFW鈴木。
後半は4-4-2に移行した。初招集組はFW杉本が2トップの一角、MF宮原がボランチで後半開始から出場。同じく初招集のMF鎌田は同16分から攻撃的MF、途中からは1トップとしてプレーした。
手倉森ジャパンは翌9月も町田で合宿を張った。Jリーグ・アンダー22選抜(U-22選抜)としてJ3町田と対戦。0-1で敗れた。練習試合で2連敗し、最終予選を前に暗雲が垂れ込めた。