いよいよ欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメントが2月14日(日本時間15日)のACLミラン(イタリア)-トットナム(イングランド)戦、パリ・サンジェルマン(フランス)-バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)戦を皮切りにスタートする。
筆者が個人的に注目しているのは、グアルディオラ監督のマンチェスター・シティーが悲願の初優勝を飾れるかという点。また22年ワールドカップ(W杯)カタール大会で優勝したアルゼンチン代表FWメッシ(パリSG)がクラブでもふたたび欧州の頂点に立てるのかどうか。
はたまた昨季決勝の再戦となったリバプール(イングランド)-レアル・マドリード(スペイン)はどのような展開になるのか(国内リーグは現時点で残念な戦いぶりだが、リバプールの奮起に期待したい)。このあたりを考えながらCLを楽しんでいきたいと思う。
ところで、欧州メディアの記事をネットでチェックしていた時、面白いことが書かれてることに気付いた。
世界一お金をかけて、世界でも有数の選手をそろえるイングランドのクラブは近年、欧州CLでも結果を残してきた。ここ5度のCL決勝のうち、4度でイングランドのクラブが決勝に進み、リバプールとチェルシーが優勝を飾った。史上最多14度の優勝を誇るレアル・マドリードのCLでの強さは驚異的だが、そのレアルとCLで対等に戦えるのはイングランド勢かBミュンヘンくらいと言っても過言ではない。そういう結果となっている。
そんな中で驚いたのが、今まで欧州CL決勝トーナメントでチームを率いたことがあるイングランド人の監督はわずか3人だということ。ハリー・レドナップ監督(当時トットナム)、フランク・ランパード監督(当時チェルシー)、クレイグ・シェークスピア監督(当時レスター)だけなのだ。
今大会ではグラハム・ポッター監督(チェルシー)、スコット・パーカー監督(クラブ・ブリュージュ)が加わり、5人になる。
イングランドではこれまでクラブが大金をかけて大物外国人選手を獲得するので、イングランド人の若手が育たないことが問題視されてきた。しかしグアルディオラ監督やクロップ監督(リバプール)といった外国人監督を招聘(しょうへい)することで、イングランド人の指導者もあまり日の目を見ていないのかもしれない。
あれっ、マンチェスター・ユナイテッドを常勝軍団に仕立て上げたアレックス・ファーガソン監督は? と一瞬思ったが、彼はスコットランド人。アーセナル絶頂期を率いたのはフランス人のベンゲル監督。今CLではイングランド人監督の活躍にも期待したい。
【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)