<欧州選手権展望:スペイン-ポルトガル>◇準決勝◇27日◇ウクライナ・ドネツク
隣国同士の「イベリア半島対決」。大会連覇を狙うスペインの方が優位とみられている。MFイニエスタ、MFシャビを中心にボールを支配し、パスワークで攻める形は安定している。故障で今大会を欠場した点取り屋のFWビリャ、守備の要DFプジョルの穴を、チーム全体で補っている印象だ。不安材料は相手より試合間隔が2日短いことくらいか。引き続き前線にMFを並べる「ゼロトップ」か、FWフェルナンドトレスの先発起用かは論議が分かれるところだろう。
デルボスケ監督はポルトガル戦に向けて、C・ロナルドへの対応を最重視。「彼のような選手は他にいない。唯一の存在」とし、「できることなら彼をマークする時点で抑えたい。彼にプレーをさせない、スペースを与えないことが大事」と話している。相手エースはDFピケを中心にマークするとみられる。
ポルトガルはFWポスティガが準々決勝で負傷し、既に欠場が決定。FWアルメイダが代わって先発の見込みだ。191センチの長身とフィジカルの強さを生かしたポストプレー、セットプレーで明確なターゲットとなりそうだ。
いずれにしても、前線が生きるためには相手の連係を寸断する必要がある。スペイン守備陣も盤石とまではいえず、カウンター攻撃は有効。好調なC・ロナルド、ナニを使ったサイドからチャンスをつくりたい。スペインMFセスクも「ポルトガルは個の力がある。速攻もうまい」と覚悟しているようだ。
両者の対戦成績は、通算37試合でスペインの15勝13分け9敗。うち公式戦では4勝2分け1敗。04年大会1次リーグではポルトガルが1-0で勝利。10年W杯準々決勝では1-0でスペインが勝った。直近の対戦は10年11月の親善試合で、ポルトガルが4-0と大勝している。