スピードスピード

白幡圭史
◆白幡圭史(しらはた・けいじ)1973年(昭和48年)10月8日、北海道釧路市生まれ。専大卒。五輪は92年、98年、02年の3大会に出場。08年から1年間、日本オリンピック委員会の海外研修生としてオランダに留学。現在は日本スケート連盟スピードスケート強化部委員。
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加藤条治 練習で切れ味鋭い動き

 スピードスケートの男子500メートルが今日10日に行われる。前回バンクーバー大会で銀メダルの長島圭一郎(31)、銅メダルの加藤条治(29=ともに日本電産サンキョー)には、日本人選手の冬季五輪10個目の金メダルの期待がかかる。本紙評論家で日本スケート連盟スピードスケート強化部委員の白幡圭史氏(40)がレースを占う。

 期待を込めて加藤の金メダルを予想します。レース前日の9日、最後の練習を見ました。加藤の切れ味鋭い動きが目につきました。この4年間は、ピーキングをとことん追求。仕上がりは完璧に近いのではないでしょうか。過去2大会とは違い、普段と変わらない落ち着きぶりも評価できます。本番でも自分の滑りが期待できそうです。

 長島は、ここにきて、苦手とするインスタートからの第1カーブに、神経質になっています。7日の練習中にミスした影響でしょうが、この日も少し守りに入ったコーナーワークで心配になりました。世界一のスケーティングを誇るだけに、技術面には人一倍繊細。でも今は繊細になりすぎてはいけない。力はあるのだから開き直って大胆に攻めてほしい。

 外国勢で目についたのは、やはり前回バンクーバー大会金メダルの牟太■(韓国)。彼は前半はトップスピードにうまく乗り、後半も勢いを持続できる。安定度も抜群で、2回の合計を競う五輪ではやはり強い。1月の世界スプリント(長野)を制したM・ムルダー(オランダ)、今季はいまひとつですが、昨季W杯7勝のスメーケンス(オランダ)も調子を上げています。

 1000分の1秒で争う男子500メートル。今季は混戦模様で、1つのミスでメダル圏内から脱落という過酷な戦いになります。前回は銀長島、銅加藤の結果でした。しかし、いくら銀、銅をたくさん取っても1つの金メダルにはかなわない。スピードスケートの普及、メジャー化のためにも、加藤、長島のどちらかには金メダルを取ってほしい。(ソルトレークシティー五輪1万メートル4位、日本スケート連盟強化部委員)

※■は金ヘンに凡




日本のメダル数

金メダル
1
銀メダル
4
銅メダル
3

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