求められた「速さ」超える「強さ」
<ソチ五輪:スピードスケート>◇10日◇男子500メートル
日本勢の完敗だった。加藤は体が動いていたが、1回目のスタートの2歩目でつまずいてしまった。焦りと力みがあったのかもしれない。長島はインスタートの2回目で、第1コーナーでバランスを崩し、加速できなかった。
一方で、オランダの爆発力は想像を超えていた。男子5000メートルに続く表彰台独占。男子500メートルでは88年カルガリー大会銀のイケマ以来のメダルだった。もともと長距離は強かったが、近年は短距離でも層の厚さを誇っていた。今回の4~6位は前回バンクーバー大会の表彰台メンバー。この4年でオランダ勢が、その上を行った。
日本とオランダの差は何か。それは「速い選手」を育成する日本に対して、オランダは「強い選手」を育ててきたからだ。日本は、室内の高速リンクが強化の中心。一方でオランダは低地の滑らないリンクや、屋外リンクのイタリア・コラルボで定期的に合宿をしている。どんなリンクでも対応できるオランダの「強い選手」が結果を出した。
日本は最近、低落傾向の長距離だけでなく、これで短距離の強化も抜本的に見直さなければならない。オランダなどスケート先進国からコーチを招くなど、過去にない改革が必要になる。(ソルトレークシティー五輪1万メートル4位、日本スケート連盟強化委員)
日刊スポーツ新聞社
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