2人の約束が生んだメダル
<ソチ五輪:ノルディック複合>◇12日◇個人ノーマルヒル
「2人の約束」。これがなかったら、後続に追いつかれていたかもしれない。この競技の独特な部分も、渡部暁斗(25=北野建設)の銀メダル獲得につながったといえる。ベストのジャンプで2位につけた後、6秒差の1位フレンツェルと「スプリント勝負に」と話し合っていた。3位に21秒差があり、2人が力を合わせて逃げ切り、そろって銀メダル以上を求めた「約束」だった。
風の抵抗を避け、疲労を軽減するために先頭を入れ替わり、勝負が始まったのは最後の急坂、残り1キロ付近だった。先に仕掛けた渡部暁はかわされたが、常に主導権を握っていた。この約束は、もちろん勝負なので守られない場合もある。W杯で結果を残した渡部暁は実力があり、フレンツェルから信頼されていたという人間関係もある。この競技ではよくある展開だが、後半距離には「駆け引き」「協力」「勝負」の要素が詰まっていた。
個人、団体のラージヒルに向け、日本勢はノーマルヒルの前半ジャンプでいい展望が見られた。ジャンプ台に対応できており、相性もマッチしている。ノーマルヒルと同じで後半距離はトップグループで展開したい。(98年長野、02年ソルトレークシティー五輪代表)
日刊スポーツ新聞社
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