勢い呼んだ大きな銀
<ソチ五輪:ジャンプ>◇決勝◇15日◇男子ラージヒル(LH=HS140メートル、K点125メートル)
メダルを取る時は、流れがくる。めまぐるしく風が変わり、優勝候補と言われる選手でさえ2回目に進めない選手がいた。葛西も1、2回ともに数人前までは風が良くなかったが、飛ぶ直前に有利な風に変わった。W杯でも上位の人間に良い風が吹くと言われており、そのW杯で結果を出し続け個人総合で3位につけたことが大きかった。
直前の試技がキャンセルになり、前日も飛んでいないことを考えれば、ぶっつけ本番みたいなもの。だがベテランで経験があり、1月にW杯で優勝した時も直前は飛んでいない。今はいいイメージがあり、自分のリズムができあがっているので、多く飛ぶことで悪い面を出すよりは良かった。
屋外競技で天候に左右される面があるものの、それを自分の中で消化し、納得できるようになった。これはなかなか難しく、風などのせいにしてしまいがちだが「そういうこともある」と受け入れられるようになっている。経験以外のなにものでもない。まさに「レジェンド」の領域に入ったんじゃないかな。
他の日本勢も伊東が9位、清水が10位、竹内が13位と団体メダルへも望みをつないだ。オーストリア、ドイツ、ノルウェーなどと争うが、日本には勢いがある。そういう意味でも銀メダルには大きな意味がある。(98年長野五輪ジャンプ・ラージヒル団体金メダル)
日刊スポーツ新聞社
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