葛西の存在が生んだ手負い2人の執念飛躍
<ソチ五輪:ジャンプ>◇17日◇男子団体(HS140メートル、K点125メートル)
ケガをしている伊東が最後の力を振り絞り、病気の竹内が執念で飛んだ。すごく頼もしかったが、葛西の存在がそういう気持ちを生んだのだと思う。2回目は不利な風を受けていたものの、134メートルを飛んだ。条件関係なく距離を伸ばすテクニックを持っている。私の時はハラハラ、ドキドキだったけど、そんなことはない。若手は後ろに葛西がいるから落ち着いて飛べる。若手とベテランがうまく融合し、チーム力が上がった。ここからまた新たな歴史が始まると思う。
葛西はもう昔の葛西ではない。体重制限、スキー板の長さからV字への移行など度重なるルール改正にもしっかり対応してきた。テクニックを替え、どうやったら距離を伸ばせるかずっと追求していた。そういう積み重ねが、葛西を進化させてきた。
今大会は主将として挑んでいたが、ジャンプのプレッシャーというより、リーダーという責任が大きかった。涙はそういうところからもきていると思う。私もそうだったが、団体を終えるとホッとしたもの。大きな仕事をやってのけた。16年ぶりにメダルをとり、葛西がソチの空を完全に征服したと言える。(98年長野五輪ジャンプ・ラージヒル団体金メダル)
日刊スポーツ新聞社
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