チームの垣根取り旋風起こしたオランダ
オランダが旋風を巻き起こしている。個人種目の男女10種目のメダル30個のうち21個のメダルを獲得。そのうち、男子500、5000、1万メートルは表彰台を独占。あまりの強さに、1万メートルでは他国から棄権する選手が続出するほどだった。
強さの秘密は何か。まずは国内の激しい代表争いがある。スケート王国だけに、プロチームが7つあり、互いに競い合って、切磋琢磨(せっさたくま)する。一方で、月1回は、各チームの指導者が集結し、情報交換。垣根を取って、オランダチームのために1つになる。今回のソチ対策も万全だった。
先月はイタリア・コラルボとドイツ・インツェルの2カ所に分かれて合宿を張った。ともに硬い氷で、滑らないリンク。そこで滑り込んで、しっかりと脚をつくった。ソチの氷は軟らかく、常に足を動かさないと失速するため「ウオーキングアイス」と呼ばれる。オランダ勢の後半の伸びは、脚づくりのたまものだった。
08年から1年間、オランダに留学した経験がある。練習量自体は日本と韓国がずばぬけて多い。だが、根性練習で、無理な追い込み練習を続けると、乱れたフォームにつながる。オランダでは効率の良い練習で、フォームを固め、乱れたフォームで滑ることはない。現役時代にライバルだったオランダのコーチから日本選手について「バッドスケーティング」との指摘を何度も受けた。かつては、オランダ勢が日本人のコーナーワークを学んだ。他国のコーチ陣も頭を抱えている今こそ、日本は団結し、一番先に打開策を打ち出すべきだと思う。(ソルトレークシティー五輪1万メートル4位、日本スケート連盟強化委員)
日刊スポーツ新聞社
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