スズメのお宿に胸チュン<喫茶ゆり>
店主・大橋祥男さん
“スズメのお宿”は癒やしの空間でした。ただひたすら、居心地の良い喫茶店を訪ね歩く“脱力系連載”の9回目。今回訪れたのは、店主・大橋祥男(さちお)さんから直接情報をいただいた堺市中区の「喫茶ゆり」。いつものようにダラダラと現地を訪れた取材班を満面の笑みで迎えてくれたのは、見るからに優しそうな大橋さん。
「見てくださいよ。このスズメたち、かわいらしいでしょう?」。
そう言って見せてくれた写真には、おいしそうに米をついばむ数十羽のスズメの姿が。ひええ~! かわいすぎる! 何でこんな事になってるんですか?
「15年ぐらい前かな。朝にお米のとぎ汁を店の前にまいていたら、スズメが数羽寄って来て残り米を1粒残らず食べてもうたんですわ。それがほほ笑ましくって、それから毎日お米をまくようになったら、いつの間にかすごく数が増えてねえ。今では50羽ぐらい来ることもあるかな」。
それはすごい。それにしても、スズメってなかなか賢いんですね。どこに行けば良いのかよく分かってるんだからね。
「朝は何羽ものスズメが待ってて、店のシャッターを開けるとパーッと下りて来んねん。そこでお米をあげてから、この店の1日が始まるんですわ」。
そう話す大橋さんの表情は限りなく優しい。この話は、ABCラジオで道上洋三アナにも取り上げられたと言う。このお店の魅力は、もちろんスズメだけではない。27年前に開店したころからほとんど変わっていないと言う店内は、和洋折衷で非常に落ち着きがある。バナナを使っていないというミックスジュース(450円)は、すごくスッキリとして飲みやすい。
スズメたちが毎朝一番客
「ウチはモーニングセットを終日やっていてね。コーヒーとトーストに卵、そして大盛りの野菜が付いてきます。これだけでも、1日分の野菜が取れると思うよ。以前は11時までやったんやけど、近所の独身の方たちから『昼間も出してくれ』っていう要望が多くてね。食べてみますか?」。
聞いてビックリ70歳(絶対にそうは見えません)という大橋さんが、栄養バランスにこだわって作るとあってボリューム満点。しかもムチャうまいし、これで580円は絶対にお得です。スズメにとってもボクらにとっても、ずっと居座りたくなる空間でした。
【中上 博】
◆喫茶ゆり
◆所在地 大阪府堺市深井沢町2710の1
(泉北高速鉄道 深井駅から徒歩3分)
◆営業時間 平日午前7時~午後5時(祭日は午後1時まで)。日曜日定休。
◆電話 072・278・5925
読者オススメの純喫茶を募集します。店にミックスジュースと日刊スポーツがあることが条件で、国内に限ります。採用された読者にはサンガリア「みっくちゅじゅーちゅ」1箱(30本)を進呈。さらにその純喫茶が五ツ星評価を得た場合、店にも1箱贈ります。
◇はがきに郵便番号、住所、氏名、電話番号、年齢と、オススメの純喫茶を明記の上、〒530・8334(住所は不要)日刊スポーツ「純喫茶係」と書いてご応募下さい。