<第89回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間108キロ)

 早大は5区で1度はトップに立つも、突き放されて2位だった。

 早大・山本修平(2年)は、必死でもがくが足が動かない。自信があった5区の山登りで一時はトップに立った。しかし、右足を襲ったけいれんで、4キロを残して日体大に突き放された。「往路優勝をしたかった。悔しすぎる」。エンジのコートの袖は涙でぬれた。

 早大にとって悔し過ぎる往路2位だ。今大会は選手層が薄く、往路制覇が目標だった。4区を終わって、1位東洋大とは2分7秒差の3位。5区には前回区間3位の山本がいただけに、渡辺康幸監督は「あそこまで行ったら勝たなきゃダメ」とため息をついた。

 隠し玉だったエースの大迫傑(3年)を3区に投入。やはり変更した1区の前田が17位発進とブレーキとなったが、大迫が9人をごぼう抜きし、3位まで押し上げた。区間賞こそ逃したが「自分の役割は果たした」(大迫)と、逆転のお膳立てはそろっていた。

 しかし、苦手とする強い向かい風が早大を阻んだ。山本は地面から跳ねるように走る。空中に浮く時間があり、風にあおられた。「俺の70キロの体が飛びそうだった」(渡辺監督)。望みを今日の復路にかけるところだが、渡辺監督は「悔しいけど、7区まで競っても、その後は離される」。2位と敗れたショックを引きずった。【吉松忠弘】