「東京エレクトロンスポーツスペシャル第31回全日本実業団対抗女子駅伝」が18日、宮城・松島町中央公民館前スタート、仙台市陸上競技場ゴールの42・195キロで行われる。岐阜から場所を移しての最初の大会。日本三景の一つ松島から杜(もり)の都仙台まで美しい景色が続くが、アップダウンが多く、選手にはタフなコースになった。そこで激突するビッグスリーは前回優勝の天満屋、スピードスターの小林祐梨子(23)が初出場する豊田自動織機、そして横浜国際女子マラソン優勝の木崎良子(26)を擁するダイハツ。3・11から9カ月を経て、選手と東北が互いに元気を与え合うレースが展開される。

 「命を懸けて、とまでは言いませんが、それに近いものがあります」。小林祐梨子の今駅伝に懸ける思いは熱い。1500メートルの日本記録保持者であり、09年には5000メートルで世界陸上の決勝にも進んだ日本屈指のスピードランナー。駅伝も「大好き」で、全国高校駅伝や横浜国際女子駅伝で快走を続けた。しかし、07年に豊田自動織機に入社したものの、実業団駅伝には出場できなかった。社内留学制度で大学に進学したことが、“勤務実態がなく実質的には学生”と判断されたためだ。卒業した小林が初登場する1区は7・0キロ。未知の距離だが「自信はあります」と言い切る。4年分の思いを込めた走りで、チームを勢いに乗せたい。

 小林以外もエリート選手がそろう“タレント軍団”。3区候補の小島一恵(24)は学生長距離界のスター選手だった。ヒザの故障で入社1年はパッとしなかったが、2年目の今季はトラックの1万メートルで自己記録を更新。「区間賞争いをしたい」と意気込む。そして、5区候補が07年世界陸上1万メートル代表だった脇田茜(24)だ。08年以降の実績はいまひとつだが、この冬はマラソン挑戦も視野に入れるまでに復調している。

 前回2区区間賞のカリンジ(23)に、3年前の優勝メンバーの青山瑠衣(21)らつなぎ区間も強力。小林でトップに立てば、2区で逆転されても大差はつかない。3区の小島や5区の脇田が、他チームのエースを相手にどこまで踏ん張れるかに注目だ。