<全日本実業団対抗女子駅伝>◇18日◇宮城・松島町中央公民館前~仙台市陸上競技場(6区間=42・195キロ)
女子マラソンのロンドン五輪代表を狙う福士加代子(29=ワコール)が18日、来年1月29日の選考レース大阪国際出場を表明した。同大会にはアテネ五輪金メダリストの野口みずき(シスメックス)も出場する。2人の注目対決実現に、福士は人気ドラマ「家政婦のミタ」の視聴率に対抗心を燃やした。福士は3区(10・9キロ)で区間3位。1区からトップを走った第一生命が9年ぶり2度目の優勝を果たした。
決戦は初春の浪速路になった。福士が選んだロンドンへの道は、10月に野口が出場表明している。避けては通れない注目対決に「気にしてないです。のぐっちゃんはそのへんでよく会ってるので」。そして、野口の名前をかわすように違う標的を出してきた。「(注目されるのは)ありがたいですよ~。家政婦のミタ、超えるかな?」。
出てきたのは女優松嶋菜々子主演で高視聴率をたたき出す人気ドラマだ。無表情の主人公のバッグから次々と問題解決のグッズが出てくるが、笑顔の福士の口からは軽妙なトークが飛び出してきた。軽いようで、10月には2度目のフルマラソン(シカゴ)で3位。1年前から大阪を見据えて、万全の準備をしてきている。
あえて大阪を選ぶ別の理由もある。「リベンジを含めて最高のパフォーマンスを見せたい。4年間の我々の思いを吹っ切りたい」と永山監督。初マラソンだった08年大阪国際、福士は19位と惨敗した。終盤は意識もうろうとなり、マラソンでの北京五輪出場は消えた。それでも多くの励ましの声に、「いつの日か」の気持ちを持ち続けていた。
被災者の手紙に押されて出たこの日は、10・9キロを7人抜きで区間3位と力走した。今後は、国内合宿を中心に仕上げていく。「まだマラソンで自分がどうか分からない。しっかり準備したい」。高視聴率確実な真剣勝負で、福士は主演を譲る気はない。【近間康隆】
◆大阪国際女子マラソン出場予定選手
福士と野口のほかアテネ五輪7位の坂本直子や、この日の5区で2年連続区間賞の成長株・重友梨佐(ともに天満屋)、今夏の世界選手権19位の野尻あずさ(第一生命)、09年世界選手権7位の加納由理(資生堂)ら。