ニッカンスポーツコムの陸上コラム「データマン野口の陸上記録のアレコレ」でおなじみの野口純正さんが、世界陸上で盛り上がる韓国大邱からホットな陸上記録アレコレをお届けします。【その7
男子20キロ競歩】
鈴木雄介(富士通)の8位は、2001年エドモントン大会での柳沢哲の7位に続く順位で、日本にとっては2度目の入賞。また1時間21分39秒は世界選手権での日本人最高記録(従来は森岡紘一朗の1時間21分48秒、2009年ベルリン大会=11位)。
鈴木の自己ベスト1時間20分06秒(2010年)は46人の出場者中15位、参加資格記録の1時間21分13秒は18位だった。
前回のベルリン大会で鈴木は完歩した45人中42位(1時間30分21秒)。
この種目での金銀独占(ロシア)は、2001年のロシア(金銀銅独占)に続いて2度目。
優勝したワレリー・ボルチンは、2008年北京五輪、2009年ベルリン世界選手権に続き世界大会3連勝。
韓国の選手(キム)がこの種目で入賞(6位)したのは史上初。男女全種目でも1999年セルビア大会の男子走高跳の李鎮宅(6位)以来12年ぶりの入賞。なお、韓国のこれまでの入賞は上記の他に1993年シュツットガルト大会の男子マラソン4位(キム)、1997年アテネ大会の男子走高跳8位(上述の李鎮宅)がある。なお、女子で入賞した選手はまだなく、1999年の砲丸投での10位が最高順位。【その8
男子110メートル障害H予選】
予選2組1着のジェーソン・リチャードソン(米国)の13秒19(向風0.2m)は、世界選手権の「ファースト・ラウンド」でマークされた記録としては、史上最高タイ。1997年と1999年にコリン・ジャクソン(英国)が13秒19で走っている。なお、1次予選と2次予選が行われた時の2次予選では、13秒13が最高(1999年)。【その9
男子400メートル予選】
予選3組1着のラショーン・メリット(米国)の44秒35は、世界選手権の予選でマークされた記録としては史上最高。従来の最高は、44秒50(クリストファー・ブラウン、バハマ、2007年)。
この種目での日本人(金丸祐三)の準決勝進出は、1991年の高野進(決勝7位)、2005年の佐藤光浩(準決勝3組8位)に続き世界選手権史上3回目。
金丸の100メートル毎の通過時間は下記の通り(スタンド記者席からの非公式手動計時)。
100m通過
11秒06
200m通過
21秒55=この間の100m10秒49
300m通過
33秒14=この間の100m11秒59
400m通過
45秒50=この間の100m12秒36
↓
※前半200メートル21秒55、後半同23秒95。前後半差▲2秒40。
※正式タイムは45秒51。【その10
女子100メートル予選】
この種目での日本人(福島千里)の準決勝進出は史上初。五輪では1928年アムステルダム大会の人見絹枝(予選3組1着。準決勝2組4着)、1932年ロサンゼルス大会の渡辺すみ子(予選2組3着。準決勝1組5着)がある。「世界大会」ということでは、79年ぶりの準決勝進出となった。