<世界陸上>

 金メダルを獲得した男子ハンマー投げの室伏広治(36=ミズノ)が、一夜明けた30日、会見に応じた。主な内容は以下の通り。

 -昨晩は睡眠をとれたか

 室伏

 あまり寝てないんですけど、本当に…(と第一声は、眠気で?

 言葉を探しあぐねながら)。ほんの少し、寝られました。2~3時間ですけど。みんなから「おめでとう」と言ってもらって、また現地の韓国の人からも日本の人からも祝福されて、本当にうれしいです。

 -体のダメージは

 室伏

 大丈夫です。全身の疲れは、もちろんありますけど。大丈夫です。これから、いろいろチェックします。

 -あらためて勝因は

 室伏

 やはり前半、特に1投目でメダル圏内に入れたこと(79メートル72の今季自己ベストを出しトップに)。ここずっと、練習でコンスタントに自分の力を出せる練習をしてきた。そのトレーニングの成果だと思います。このような大きな舞台では、精神的なものも重要。すべてが一致して成し遂げられたと思います。

 -優勝決定の後に最終投てき者を務めた心境は

 室伏

 81メートル50以上を投げたいと思って臨んでました。優勝がそこで(投げる前に)決まっていたのは分かっていたけど、一番いい投てきをしたいと思った。みんなに祝福された中で投げるというのは、なかなか味わえない。競技人生の中で味わえて良かった。

 -今後、ロンドン五輪までの課題、計画は

 室伏

 今のトレーニングを継続すること。自分の体がどんな状態になっていくかも大切。理学療法士やトレーナーとも相談し、客観的に動きを見て、分析したい。ハンマーの力を無駄なく伝えていく。年齢的にも若くないし最適な軌道を描けるようにしたい。

 -ロンドン五輪に向けて他選手にプレッシャーをかけられたのでは

 室伏

 毎年毎年、状況も違う。ロンドンに向けて、みんなもより力を入れてくいる。対策を考えて、いい試合ができるように頑張りたい。

 -昨年、今年と夏にピークを合わせて成功しているが

 室伏

 ピークに向けて練習を集中してやること。技術の面は、かなり磨かれていると思うので、コンディションさえ良ければ、技術も良くなると思う。体のバランスであったり、筋肉のバランスであったり、時間をかけて、しっかり土台をつくった上で筋力を強化したい。記録は出てもケガをしては、記録の再現性が乏しくなる。

 -10年間の世界陸上で金、銀、銅とそろった。五輪で金メダルもとり、世界記録がモチベーションになるのか

 室伏

 またこうしたチャンス(3個目のメダル)が巡ってきたことは、本当にうれしい。ただ世界記録はいろいろな条件、相当な条件がそろわないと難しい。可能性がゼロとは言わないけど、チャンスがあれば。それよりロンドンです。