ニッカンスポーツコムの陸上コラム「データマン野口の陸上記録のアレコレ」でおなじみの野口純正さんが、世界陸上で盛り上がる韓国大邱からホットな陸上記録アレコレ。今回は大会3日目の競技の中からアレコレお届けします。

 男子ハンマー投げで金メダルを獲得した室伏。2位パルシュとの差6センチは世界選手権史上最小差でした。【男子3000メートル障害予選】

 2組4着のナホム・メスフィン(エチオピア)は、カネボウに所属していた選手で2009年入社。2008年にマークした自己ベストの8分14秒68を3年ぶりに更新する8分12秒04で決勝進出。2007年大阪大会も決勝に出て12位。2008年北京五輪は予選1組の5着で落選だった。

 2組1着エゼキエル・ケンボイ(ケニア)の8分10秒93は、予選でマークされた過去最高記録の8分10秒34(1999年)にあと0秒59と迫った。【男子400メートル障害予選】

 3組5着(49秒51)の岸本鷹幸が「+4」の2番目で準決勝進出。日本は1987年以降この種目に常に代表を送り込んできたが、全員が予選落ちということは一度もない。

 

 3組5着の岸本鷹幸のタッチダウン・タイム(スタンド記者席からの手動計時)。

 1台目

 

 

 5秒88

 2台目

 

 

 9秒70(

 3秒82)100m

 11秒743台目

 

 13秒54(

 3秒84)4台目

 

 17秒53(

 3秒99)5台目

 

 21秒76(

 4秒23)200m

 23秒34(11秒60)6台目

 

 25秒87(

 4秒11)7台目

 

 30秒11(

 4秒24)8台目

 

 34秒67(

 4秒56)300m

 35秒86(12秒52)9台目秒

 39秒37(

 4秒70)10台目

 44秒23(

 4秒86)400m

 49秒52(13秒66)●前半200m23秒34、後半200m26秒18(前後半差+2秒84)

 ●正式記録49秒51

 4組7着の安部孝駿のタッチダウン・タイム(スタンド記者席からの手動計時)。

 1台目

 

 

 5秒942台目

 

 

 9秒70(

 3秒76)100m

 11秒70(11秒70)3台目

 

 13秒46(

 3秒76)4台目

 

 17秒43(

 3秒97)5台目

 

 21秒48(

 4秒05)200m

 23秒21(11秒51)6台目

 

 25秒79(

 4秒31)7台目

 

 30秒17(

 4秒38)8台目

 

 34秒77(

 4秒60)300m

 36秒20(12秒99)9台目

 

 39秒89(

 5秒12)10台目

 45秒65(

 5秒76)400m

 51秒86(15秒66)●前半200m23秒21、後半200m28秒65(前後半差+5秒44)

 

 ●正式記録51秒90

 5組6着の今関雄太のタッチダウン・タイム(スタンド記者席からの手動計時)。

 1台目

 

 

 6秒19

 2台目

 

 10秒19(

 4秒00)100m

 12秒10(12秒10)3台目

 

 14秒11(

 3秒92)4台目

 

 18秒26(

 4秒15)5台目

 

 22秒45(

 4秒19)200m

 24秒13(12秒13)6台目

 

 26秒70(

 4秒25)7台目

 

 31秒19(

 4秒49)8台目

 

 35秒91(

 4秒72)300m

 37秒11(12秒98)9台目

 

 40秒59(

 4秒68)10台目

 45秒41(

 4秒82)400m

 50秒89(13秒78)●前半200m24秒13、後半200m26秒76(前後半差+2秒63)

 

 ●正式記録50秒92【男子ハンマー投げ】

 室伏広治は2001年の銀、2003年の銅に続いて3度目のメダル獲得。世界選手権のこの種目で3個のメダルを獲ったのは、アスタプコビッチ(ソ連→ベラルーシ。91年銅、93年&95年銀)、ジェルコフスキー(ポーランド、01年金、05年銅、09年銀)、ティホン(ベラルーシ、03年&05年&07年金)に続いて4人目。ジェルコフスキーとともに「金銀銅」をすべて揃えた。

 1位と2位(パルシュ=ハンガリー)の差6センチは、世界選手権史上最小差。これまでは1997年の32cmが最もきん差だった。なお、五輪での1と2位の最小差は1968年メキシコ大会の8センチ差(73メートル36と73メートル28)で、今回の6センチはそれをも上回った(といえばいいのか?)。

 世界選手権と五輪の両方で金メダルを獲ったのは、室伏で6人目。

 「36歳325日」での優勝で、男子全種目を含めて世界選手権での「男子最年長金メダリスト」となった(1976年の50キロ競歩を除く)。

 

 室伏広治が世界選手権で入賞した時の6投の試技内容2001年(2位=82m92)79m91、82m46、81m95、81m43、82m92、82m612003年(3位=80m12)79m87、78m64、79m99、79m91、80m12、79m072007年(6位=80m46)76m94、79m46、80m38、79m56、80m13、80m462011年(1位=81m03)79m72、81m03、81m24、79m42、81m24、80m83

 1投目から首位の座を一度も譲らずに優勝したのは、1983年(リトビノフ=ソ連)、1991年(セディフ=ソ連)、1999年(コブス=ドイツ)についで4人目。【女子400メートル】

 ボツワナ(モンショ)の世界選手権での優勝は、男女全種目を含めて史上初。これまでの最高成績は、男子が2009年の走幅跳び7位、女子が2009年400メートルでモンショの8位。

 モンショは2008年北京五輪も8位で、ボツワナの女子の五輪入賞は全種目でこれが唯一(男子は、7位と8位がある)。

 1位と2位の差0秒03は、1997年と2001年の0秒02差に続くきん差。【女子100メートル】

 ジェター(米国)は、2007年と2009年の2大会連続銅メダルから「3度目の正直」で金メダルに輝いた。

 10秒90(向風1・4メートル)の優勝記録は、向風0・5メートル以上のもとでは史上最速。

 2位のキャンベル(ジャマイカ)は、2005年銀、2007年銀に続く3個目のメダル。

 トリニダードトバゴ(バプチスト)がこの種目でメダル(銅)を獲得したのは史上初で、女子全種目を含めても2009年400メートル障害に続き2個目。【男子110メートル障害】

 トップでフィニッシュしたロブレス(キューバ)が「走路妨害」によって失格となり2着以下の順位が繰り上がり、リチャードソン(アメリカ)が金メダル。

 世界選手権のトラック競技の決勝でトップでフィニッシュした選手がドーピング違反以外の理由で失格したのは、1995年イエテボリ大会女子200mのトーレンス(米国)が「レーン侵害」で、2009年ベルリン大会女子1500メートルのロドリゲス(スペイン)が「走路妨害」で失格したことがある。なお、金メダルを獲得したと思われた選手のドーピングでの失格は、延べ16回ある。