<世界陸上>
こちらの投てき種目にもメダルに期待だ!
大会6日目(9月1日)の注目は、男子やり投げの予選。前回大会で銅メダルに輝いた村上幸史(31=スズキ浜松AC)が出場する。室伏の勢いに乗って予選通過はもちろん、3日の決勝で連続メダル奪取といきたいところ。岡野雄司・日本陸連投てき強化委員(43)が見どころを解説します。
室伏の金メダルは日本人として、非常に勇気づけられました。誇りを持てた瞬間でした。どうしても大きな大会になると、日本選手は欧米の選手の中で小さくなってしまいます。それがあのメダルで、以後の日本選手も堂々と胸を張って競技場に入ることができる。そんな意味でも影響力のある金メダルでした。
さて、村上です。前回3位で周囲からも相当、期待がかかっている。ただし、まずは一歩一歩、着実に投てきをこなして、自己ベスト更新を考えてほしい。そうすれば自ずと結果はついてきます。
前回の銅メダルは、風の向きや周囲の選手が力を出し切れないなど、好条件で勝ち得た無欲の勝利でした。今大会の出場選手中、村上のランクは下位です(注・今季ベストの83メートル53は20位相当)。ですから、決勝のファイナリストに残れば、それだけでも本来は、大したものなんです。普段からの技術を、落ち着いて平常心でこなすこと。周囲の期待は考えず、タイミングを見失わなければ、自己ベストの更新、そして85メートルも見えるかもしれません。