<世界陸上>◇2日◇男子200メートル準決勝◇韓国・大邱スタジアム
ラスト50メートルからは、明らかに流していた。2組を走ったウサイン・ボルト(25=ジャマイカ)が、20秒31で連覇をかける3日夜の決勝に駒を進めた。
「楽しみにしてくれたファンに申し訳なかった」という、あの悪夢のフライングによる失格から5日。「集中していた」というが、やはりスタートはナーバスになったのか。決勝進出8人の中では最遅タイの、反応タイム0秒207。それでも中間走での爆発力は健在で、コーナー出口から他を寄せ付けず、流しても後続に2メートルの差をつけてのフィニッシュに「いい気分だ」。ミックスゾーンでは40分以上もかけてメディアに対応していた。
100メートル決勝でのフライングを、日本代表の高野進監督は「なるべくしてなった」と評した。ボルトらジャマイカ勢のスタート練習を見ていたが、タイミングが合わずフライングばかりだったという。「スタートに神経がいきすぎて、かなり焦っているなと。これまで以上のものをみせなくては、という気負いがあったのでは」と心理を分析した。
もともとコンディションを含め今大会での世界記録への意欲は薄く、それほど焦る必要はない。焦るとすれば、負けられないという意識が強すぎることか。
話題を呼んだ、あのフライングについては「自分のミス」としながら、それ以上については「ファイナルが終わった後に話す」と言葉を濁した。