ニッカンスポーツコムの陸上コラム「データマン野口の陸上記録のアレコレ」でおなじみの野口純正さんが、世界陸上で盛り上がる韓国大邱からホットな陸上記録アレコレをお届けします。今回は大会7日目その1です。【女子100メートル障害予選】
2組1着のピアソン(オーストラリア)がマークした12秒53(向風0・6メートル)は、世界選手権の予選(ファースト・ラウンド)で出された記録としては歴代2位。予選での歴代最高は、ザゴルチェワ(ブルガリア)の12秒51(向風1・0メートル)で1987年ローマ大会の第1次予選。2次予選が行われた時の最高は、12秒53(1999年)。【女子ハンマー投げ予選】
B組15位の綾真澄の64メートル09は、世界選手権で日本人が出した最高記録。従来は、室伏由佳の62メートル83(2005年)。また、A、B両組をトータルした順位は27位で、これは過去最高順位タイ。上述の室伏も27位(2005年)。【男子200メートル準決勝】
2組1着20秒31(向風1・0メートル)のボルト(ジャマイカ)の前半100メートルは10秒22、後半は10秒09(記者席からの手動計時。以下同様)。
2組6着21秒17(向風1・0メートル)の斎藤仁志の前半100メートルは10秒70、後半は10秒47。
3組6着20秒90(向風0・7メートル)の高平慎士の前半100メートルは10秒64、後半は10秒26。【男子砲丸投げ】
予選で世界選手権予選歴代2位の21メートル50の自己新を投げたシュトール(ドイツ)が決勝でも1投目21メートル60、6投目21メートル78と大会前までの自己ベスト21メートル05を大幅に更新して金メダルに輝いた。
この種目でのドイツの優勝は史上初。
同じくこの種目でのカナダのメダル(銀、アームストロング)も史上初。過去最高成績は2001年の8位。
3位ミフネビッチ(ベラルーシ)は、2003年金、2003年銅に続き3個目のメダル獲得。4個で歴代トップのネルソン(米国、8位)に続き、ギュンター(スイス)およびゴディナ(米国)と並んで2位。
ディフェンディングチャンピオンのキャントウェル(米国)は4位で、米国勢は表彰台を逃した。米国がこの種目でメダルを獲れなかったのは1983年、1991年に続き3度目。
キャントウェルの名前のつづりは「Cantwell」で、「Can’t
well」ともとれる。つまり「うまくできない」だ。2009年ベルリン大会では、否定形ではなく「Can
well」での優勝だったが、9月2日の決勝では、名前のようになってしまった。なお、ペットのブルドッグの名前は「(ランス・)アームストロング」で、ペットの犬と同じ名前のアームストロングに負けてしまったのはキャントウェルにとって複雑な心境かも?