<世界陸上>◇3日◇男子50キロ競歩◇クッチェボサン運動記念公園(韓国・大邱)発着の周回コース(1周2キロ)
男子50キロ競歩は森岡紘一朗(26=富士通)が6位入賞し、ロンドン五輪出場を決めた。
森岡は中盤以降追い上げ、3時間46分21秒で6位でゴールした。97年アテネ大会の師匠今村文男コーチに並び五輪含めた世界大会での日本人最高位タイとなった。「もっと上を目指したかったけど自分の今ある力は最大限に発揮できたと思う」と満足げだった。9キロすぎに先頭集団から離れ、一時は17位まで下がったが、5キロを22分30秒ペースで32キロすぎから追い上げた。「無理して先頭に付かず、落ちてくる選手を拾った」と話した。
03年の地元・長崎インターハイの5000メートル競歩決勝。トップでゴールしたが、歩型違反で失格で記録なしという地獄を味わった。そこからフォームの改良に取り組み、体重移動がスムーズで上下動が少ない美しい姿を手に入れた。この日、歩型違反のカードが続出する中でも「これくらい厳しい方がいい。自信があるので」と涼しい顔だった。
既に参加A標準記録(3時間59分00秒)を突破しており、今回の入賞で五輪切符を手にした。「(今村コーチは)世界で2回の入賞をしている。まずはその数を超えたい。そしてメダル。一番いい色を取りたいです」。大きな可能性を秘めた男が、大邱からロンドンへ飛び出した。