スプリント王国ジャマイカが誇る無敵の女王エレーン・トンプソンヘラ。16年リオデジャネイロ、21年東京と五輪2大会連続で100メートルと200メートルの2冠に輝いた。女子では初めての快挙であり、両種目において世界歴代2位の記録を持っている。

30歳となったベテラン選手。18年には脚を痛め、走れない時期もあったが、困難を乗り越えて復活した。昨季は東京での快走に続き、3週間後のダイヤモンドリーグでは100メートルで10秒54をマーク。88年の全米選手権でジョイナーが樹立した10秒49の世界記録に肉薄し、記録更新を期待されている。

167センチと大柄ではないが、バネの利いた爆発的な走りが特徴だ。以前は24年パリ五輪は年齢的に無理だと考えていたが、昨季の結果を踏まえ「もっと行けるようになったと思う」と自信を深めた。世界選手権でも、同じジャマイカの35歳フレーザープライスとの切磋琢磨で頂点を狙っている。

エレーン・トンプソンヘラ