今回は、NFLチアリーダーのオーディションに挑戦中の猿田彩さんです。「理想像がチアリーダー」と、大学から始めたチアに魅了された理由を聞きました。
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猿田さんは大学3年時、ハワイ大学に留学したことが、自分の理想を描くきっかけになった。約4カ月間、現地のチアダンス部で活動。きっかけは「大好きな踊りで人にエネルギー与えながら、ボランティアや福祉の活動ができる。自分がやりたいこととマッチしていると思いました」。バスケットボール部などの応援活動のほか、授業のカリキュラムで、学校へボランティア訪問もした。
メンバーは、10~30代の男女19人で、日本人は猿田さんだけ。元NBAダンサーがいたり、キャプテンだったメンバーはNBAダンサーに合格した。「彼女たちは私が入部したその日から、何かあればいつでもメッセージして、と声をかけてくれました。自主練も誘ってくれました。人に熱く、温かい。そんなチアリーダーになりたい、と思いました」。
帰国後は、NFLチアリーダーのワークショップに参加、さまざまなダンスレッスンにも通い、多くのチアリーダーからさらに影響を受けた。「皆さんパワーがあって、エネルギーにあふれていて、毎回毎回、元気をもらいます。ユニホームを着ている、着ていないに関係なく、そういう女性に近づきたい。自分の理想像がチアリーダーなんです」と話した。
考え方も変化した。「昔の自分だったら、何かあったら最低限で物事を考えるようなタイプでした。でも今は、これもチャンスと捉えてプラス! プラス! に考えられます。チアの持つ力です」。さらに「第一印象が良くなって、初対面で話しかけられることが増えました。自分から積極的に話しかけるようにもなって、日常がより楽しくなりました!」。ワークショップでは「緊張してる子に話しかけてみよう、鏡の前を譲り合おう、と思えるようになったのはチアリーダーのみなさんのおかげです。それによって、“一緒にがんばる仲間”にも出会えました」。
大学4年時には自分の可能性を求めて、チアの本場・米国への挑戦を決めた。ダイナミックにみせるダンスを学び、体作りのためにトレーニングや食事療法に取り組んできた。
大学卒業とともに3月上旬に渡米。5月にはNFLのバッカニアーズとベンガルズを受験した。新型コロナウイルスの影響で、通常の受験とは異なり、書類審査とビデオ審査で挑戦。バッカニアーズこそ突破できなかったが、ベンガルズは予選とセミファイナルを通過した。5月下旬の一時帰国後、6月上旬にはファイナル受験で再渡米した。
現在は、ファイナルの日程待ち。今後に向けて「周りのチアリーダーたちの考え方を身近に感じたいです。それを吸収して、良いと思った部分は自分に当てはめて、成長していきたいです。オーディションに向けて、周りへの感謝の気持ちを持って、今年はバーチャルですが、Enjoy the process、この過程も大切に楽しみたいです」と話した。
◆猿田彩(さるた・あや)静岡県生まれ。小3からクラシックバレエを始め、中学・高校では創作ダンス部に所属。大学からチアダンスを始めた。ジャズやコンテンポラリーダンスが得意。158センチ。