日本女子ツアーは明後日開幕。そろそろ春の気配が漂ってきました。男子ツアーが日本で始まるには、まだもう少し待たねばなりませんが、毎週火曜日恒例の「タケ小山のゴルフ即効薬」で、腕を磨いておきましょう。今週は「ティーグラウンドは自分で選べ!」です。首をかしげてるアナタ、どういうことかタケ小山(53)の話を聞いて、考えを直してください。
- ティーグラウンドは自分で選べ !
いきなりですが、問題です。みなさん、ティーグラウンドってどうやって選んでいますか? 「男だからレギュラーティー」「女だけどうまくなりたいからレギュラーティー」「飛ばし屋だからいつもバックティー」。ざんね~ん! どれもおかしいんです。
そもそも「レギュラーティー」「バックティー」「レディスティー」「シニアティー」な~んて、決めつけてる日本の風潮がおかしいんです。みんなが同じ条件でプレーする競技は別にして、それ以外の場合、ティーグラウンドはプレーヤー自身が決めて楽しむのがゴルフの本質なんです。よく言うでしょう。「老若男女が共に楽しめるのがゴルフの素晴らしさだ」って。ティーグラウンドを自分で選べるというのは、その最たるもの。それなのに、先入観でティーグラウンドを決めてしまうなんておかしな話です。
ティーマークの見た目通り「ブルー(青)ティー」「ホワイト(白)ティー」「レッド(赤)ティー」「ゴールド(金)ティー」と呼んで、自分の飛距離を考えて、コースによってティーを選ぶのが正解です。
その時、基準となるのが「パーオンするかどうか」です。例えば、400ヤードのパー4があるとしたら、パーオンする人だけが、400ヤードでプレーするべきなんです。たまに、パーオンしないホールがあるのは仕方ない。でも、毎回、パーオンしないのだったら、ティーの選び方がまちがっているということです。そういう人は、もっと前のティーから楽しめばいいんです。
「男だから赤は無理」とか「まだまだゴールドは恥ずかしい」などという「くだらない男のプライド」は捨てましょう。きっちり、自分の飛距離を把握して、それに合ったティーからプレーする。それがゴルフなんです。
最近「ティーハラスメント」という言葉も聞きますね。女性に対してのことが多いようですが、ベストスコアを尋ねて「でも赤ティーからだよね」と、バカにする。あるいは、飛距離がないのに後ろのティーからのプレーを強要する。いずれもNGです。どうしてかは、ここまで読んだら分かりますよね。ティーグラウンドは、プレーヤーが自分で決めて、プレーできる。これがゴルフなんです。
今週の処方箋
パーオンしなけりゃゴルフじゃない!
【服用法】ティーグラウンドに対する固定観念は取り除こう!! パーオンするホールからプレーして楽しむ。他のプレーヤーがそうすることも妨げてはいけないと心得るべし。
◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。
◆協力 越谷ゴルフクラブ(埼玉県吉川市)
◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)
◆撮影 山崎安昭