浜工フィフティーンが真っ向勝負を挑む。第91回全国高校ラグビー大会が今日27日、大阪・近鉄花園ラグビー場で開幕する。11年ぶり出場の浜松工(静岡)は明日28日の1回戦で倉吉東(鳥取)と対戦。大型選手がそろう相手FW陣に対し、鋭いタックルと組織的な守備で対抗する。3度目の出場で同校初勝利を成し遂げ、5年ぶりの県勢初戦突破を目指す。
浜工FW陣が相手のストロングポイントを封じ、試合を制す。相手のFWは130キロ台と110キロ台のプロップがおり、平均体重は90キロを超えている。一方で、浜工は108キロのプロップ光本滉平(3年)が最重量で先発予定のFW8人は平均体重が約80キロ。体格では劣るが、木下清道(きよのり)監督(37)は「あえて力勝負をした方がいい。基本的なことだけれど、タックルは低く、逃げないことが大事」と話した。
選手も相手の特徴は把握している。相手の映像は見ずに、監督やコーチ陣が分析した結果を日々の練習で実践。チーム全体をコンパクトにし、大型プロップに対してはコンタクトプレーを得意とするプロップ住吉健太(3年)が徹底的にぶつかっていくつもりだ。住吉は「ラグビーは体格じゃないと思う。体格が大きい分、スピードはないはず。そこをしっかり突いていければ」と力を込める。
同校は過去2度全国に出場し、ともに初戦敗退。だが、過去のデータは関係ない。NO8加茂恒二(3年)は「自分たちの代で歴史を変えたい。今年は勝ちたいという気持ちよりも、勝たないといけない責任感の方が強い」。住吉も「大きい相手をすっ飛ばして、相手の戦意を奪いたい。勝って新しい歴史を刻みたい」と意気込んだ。
チームは24日に奈良入りし、25日にはBチームが強豪・天理と練習試合を行った。悲願の「花園1勝」に向けて、控え組を含めた全選手の準備は整っている。【神谷亮磨】