<高校ラグビー:佐賀工62-7熊本西>◇30日◇2回戦◇花園

 伝統のFWだけじゃない!

 佐賀工が9トライを奪う猛攻で、熊本西との「隣県対決」を制した。先制トライは伝統のモールで押し込んだが、その後はFW、バックス一体となったラグビーで熊本西を圧倒。中でも、40メートルPGにゴールキックも9本のうち7本を成功させたSO碓井主将の“キック力”が際立った。

 前半終了間際の28分。主将の碓井は40メートルのPGを鮮やかに決めた。「うまく風に乗ってくれた」。この日のプレースキック成功率は80%の高確率。キックの精度を高めるため、今夏から始めた練習が「コーナーキック」だ。コーナーポストにボールをセットし、中央のゴールポストを狙って蹴る。「難しいです。(ポールに当たるのは)15本に1本ぐらいです」。努力は花園の大舞台で実った。

 昨季の主力が9人残り、高校日本代表候補を7人もそろえる。Bシードだが、大きな期待を抱けるチームだ。枝吉監督は「目標というより、強いチームといいゲームができるように」と控えめに言ったが、表情には手応えが見えていた。