<高校ラグビー:常翔学園41-9仙台育英>◇30日◇2回戦◇花園
これが優勝候補の底力だ。常翔学園(大阪第2)が危なげない試合運びで初戦を突破した。緊張のせいか、序盤こそ仙台育英(宮城)の鋭い出足に苦しんで“らしくない”ミスを連発し、前半は12-6と苦戦。だが後半に入ると一変、FWとBKが一体となって突き進むチーム本来の姿を取り戻した。チームが反則を繰り返しシンビンで司令塔のSH岡田を7分間欠いたものの5トライを積み重ね、終わってみれば32点差を付ける完勝だった。
仙台育英とは深い絆を持つ。9月に東日本大震災の復興支援のため、同校グラウンドに遠征。現地では黒沢尻校や金足農なども参加して練習試合を行い、背中に「頑張れ仙台育英
黒沢尻工」とプリントしたTシャツを贈った。そんな相手と初戦で当たることになり「縁を感じる」と話していた野上監督は、試合後「育英のSO(佐藤拓実)が良いキックを持っているのは分かっていた。うまく処理できたし、モールラックにつなげられたのが勝因」と、満足げな表情を見せた。
4年前に辞任し、今年1月に監督復帰した指揮官にとっては3年ぶりの花園。「久しぶりの花園でウキウキしている。良い滑り出しができたのでホッとしました」。やや反則の多さが目に付いたが「果敢に前に出て行って空回りした結果なんだから、修正すれば良い」と気にしていない。校名変更前の大工大高時代以来、16年ぶり5度目の頂点へ向け“常勝軍団”が順調なスタートを切った。
【中上博】