<高校ラグビー:常翔学園41-9仙台育英>◇30日◇2回戦◇花園
仙台育英(宮城)が、全国優勝4度の常翔学園に屈した。SO佐藤拓実(3年)のPG2本で、前半は6-12と善戦。だが後半、優勝候補の個人技で組織防御を破壊され、5トライを許した。9月に行われた復興支援試合の相手で、震災後には義援金を送ってもらった。丹野博太監督(46)は「花園でやれるなんて縁があるんだなと。選手はよく頑張った」と感慨深げだった。
震災の影響で、練習を再開したのは4月25日。CTB佐々木健太主将(3年)は「チーム作りが遅れた焦りで、まとまっていった」と一体感を感じていた。意識せずとも抱くようになった感謝の気持ち。丹野監督は「諦めないと自分たちで言ってた。心が成長した」と自信を持って言う。3年生16人中9人は、宮城・亘理中の出身。中学時代に勝てなかった悔しさを胸に、仙台育英に進んだ。苦楽をともにした9人は、それぞれの道に進むが「大人になって、みんなでまた集まってラグビーができたらいいなと思う」。佐々木は、笑顔で言った。【今井恵太】