全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)が来年1月5日に東京体育館で開幕する。男子静岡県代表の5年連続9回目出場の聖隷クリストファーは、初のベスト8進出を目標に掲げる。初戦は全日本高校選抜の堤智久(3年)を擁する札幌一(北海道)と対する。小粥圭祐主将(3年)は「全国はどこと当たっても激しい試合になる。だからこそ練習に気合が入る」。袴田泰広(2年)も「サーブで崩してブロックでプレッシャーをかけたい」と意欲を見せる。

 エースで主将の小粥だが、中学時代はバスケットボール部で、高校入学と同時にバレーを始めた。バスケ育ちだけに当時から183センチと身長こそバレーにも向いていたが、いかんせん初心者だった。しかし、田川明浩監督(44)が「打たせて、打たせて、怒鳴って、打たせて…の繰り返し(笑い)。本当によく練習をしたし、よく付いてきた」という猛練習で、1年の冬にはレギュラーを獲得した。現在は189センチまで伸びた小粥は「高校2年で高さに自信が持て始めた。今、コートに立てることが幸せ。全国では得意のブロックで悔いのないプレーをしたい」と話す。

 小粥の兄雄介さん(20)と風間利記(3年)の兄は聖隷バレー部OBの同期生で、全国ベスト16の壁は越えられなかった。順当に行けば、総体王者の創造学園(長野)とベスト8を懸けて戦う。7月の中部総合大会では競り負けたが小粥は「手応えはあった」と振り返る。先輩たちが届かなかったステージは決して夢ではない。【岩田千代巳】