全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)が今日5日、東京体育館で開幕する。札幌一(北海道)と対戦する聖隷クリストファー(静岡)には、1人三役をこなす万能プレーヤーがいる。リベロの大原悠(3年)だ。中学時代はアタッカーとして県選抜メンバー入り。アタッカーが故障すれば、代役出場したこともある。小学生の時にセッターの経験もあり、正セッターが不利な体勢の時は「第2のセッター」としてトスをあげる。
リベロ転向は中学3年生の時。県選抜で「今年はレシーバーがいないからリベロをやってほしい」と監督に言われたことだった。「納得はいかなかったけど、そこで降りるのは嫌だった」。この負けん気がリベロの才能を開花させた。トスの位置と相手の到達点から瞬時に球の落ちる場所を計算しコースに入る。田川明浩監督(44)も「コースを読む力は天性。前後左右、重心移動の瞬間の動きも速い」と太鼓判を押す。大原は「中学時代からよく『自分で拾って自分が打っていた』と言われた。小学校の時にレシーブをすごく鍛えられたので、その結果かも」。全国の舞台でもレシーブにトス、時にはアタックも決めに行く。【岩田千代巳】