<全国高校駅伝女子>◇23日◇京都・西京極陸上競技場発着(5区間21・0975キロ)◇47校
女子の青森山田が1時間8分21秒の自己最高記録で7位に入り、初入賞を果たした。1区の西沢果穂(3年)が区間4位の好走。アンカーのローズメリー・ワンジル(2年)が区間賞の走りでゴールし、初出場から連続20回目で悲願を達成した。
ワンジルが西京極陸上競技場のトラックに姿を現すと、青森山田の仲間の声援がひときわ高まった。ワンジルは9位でタスキを受け、2人を抜いた。6位までの選手をとらえることはできなかったが、堂々7位入賞。笑顔でゴールテープを切ったワンジルを、うれし涙の仲間が迎えた。
1区西沢の好走が流れをつくった。優勝した立命館宇治(京都)の菅野七虹(3年)にピッチを合わせ、ぴったりマーク。4キロ付近の上りで「一瞬、足が動かなくなりそうになった」というが、「仲間が待っている。あきらめないでラストまで」と走り抜いた。
高校総体3000メートル優勝のワンジルというエースがいる。だが大島健治監督(43)は「日本人選手がどれだけ頑張るかが入賞の鍵だった」という。西沢も「ローズメリー(ワンジル)に頼らないで頑張ろうという気持ちをみんなが持っていた。今日は全員が力を発揮した」という。
ついに入賞。「長かった」と大島監督は声を詰まらせた。監督就任19年目。その前年、青森山田が初出場した時は出場58校(記念大会のため)中56位だった。大島監督が就任した年は29位。以来13位が1度(06年)、14位が昨年を含め3度あったが、8位の壁を越えることはできなかった。
冬は雪に埋もれる青森。毎朝部員はグラウンドの雪かきから1日を始める。それでも午後3時半ごろには凍ってくる。ケガの恐れもあり、ランニングもままならない。「こうした環境の中でみんなよく頑張ってきた」と大島監督。今回も青森にいた時は全員の調子がいまひとつ。暖かい京都に来てから、ぐんぐん調子を上げた。
男子は今回入賞を果たせなかったが、昨年まで5年連続入賞。女子が追いついた。メンバー3人が1、2年生で来年も有力だ。「来年は3位以内を目指してほしい」と西沢はさらなる躍進を後輩に託した。【北村宏平】