<全国高校総体:バレーボール>◇女子準決勝◇11日◇東京体育館

 古川学園(宮城)は金蘭会(大阪)に敗れ、3年ぶりの決勝進出はならなかった。第1セットに7連続失点するなど相手にペースを握られると、第2セットも流れを引き戻せずストレートで逃げ切られた。

 力を出しきれないまま敗れ、古川学園の選手たちは肩を落とした。現メンバーで初めて経験する準決勝。試合は終始、相手に主導権を握られる苦しい展開だった。セッター中條美月(3年)は「雰囲気にのまれてしまった」と唇をかむ。岡崎典生監督(45)も「(力を)5割も出せていない」。大一番で、粘り強いレシーブからコンビバレーで得点するスタイルが機能しなかった。

 試合後、岡崎監督は「あと2つ、勝ち上がるためには選手に自覚が必要。全体の底上げはできているので、気持ち負けしない精神面を鍛え直したい」と話した。戦術通りにボールが渡れば、決められるスパイカーはそろう。1年時から攻撃の要として活躍する中條は「崩れても自分たちで立て直す力を付けたい。今日の経験は(今後に)きっといきる」と敗戦を糧にする。小沢史苑主将(3年)も、秋の国体、来年1月の全国選抜に向け「2冠を取れるよう、もっと努力して強くなる」と決意を新たにした。【成田光季】