今春誕生したキヤノンAC九州は、ドラマ「ルーキーズ」の駅伝版。パン屋勤務から転身した城戸智恵子、4年間のブランクのある高田鮎実、過食症に苦しんだ望月千幸、競歩専門の桐生文香…。全国高校駅伝19回出場の衛藤道夫監督は、壁に挑む選手たちに“夢”を説いて発奮させた。

 キャプテンの牧島さおりは諫早高時代に全国高校駅伝で優勝したが、実業団入りしてから低迷。1年間のランジェリーショップ店員を経て、悩んだ末に復帰した。「最後まで笑顔でタスキをつなぎたい」と牧島。選手は皆、走れる喜びを実感している。