昨年、最多の7回目となる優勝を飾った三井住友海上が連覇を狙う。東日本予選は6位と敗れたが、エース渋井陽子(31)が戻ってきたチームに暗さはなかった。渋井は全日本でエース区間の3区を10年以上走り、「殿堂入り」とまで言われる選手。1万メートルメートルで北京五輪に出場したほか、マラソンと1万メートルで世界陸上の代表も経験、長距離の第一人者だ。

 だが昨年の駅伝優勝後、次の目標が見えなくなり、チームを離れた。戻ってきたのは今年7月だった。渡辺重治監督は「目の前の目標を立て、その流れの中でオリンピックが見えてきたら目指せばいい」という。渋井は監督の指摘するスタンスで取り組んでいる。

 現在は「練習も体形もまだ絞る余地がある」(渡辺監督)状態で、東日本予選も6区区間3位に終わった。だが渋井が練習に加わるだけでチームの雰囲気も一変した。大平美樹(29)や大崎千聖(23)らエース級が活躍し、渋井が復調すれば連覇が見えてくる。