<世界柔道>◇24日◇男子73キロ級◇パリ・ベルシー体育館

 期待の新鋭がやってのけた。初出場の中矢力(22=東海大)が、金メダルを獲得。「苦しい戦いだった。何回もゴールデンスコア(延長)があったが、絶対に負けないという気持ちだけは持って戦った」。最多7試合を戦い抜いての金メダルに、胸を張って喜んだ。

 得意の寝技に加え、立ち技もさえ渡った。流れるような連係で、ワンチャンスをモノにした。準決勝の王者秋本啓之戦は、相手の背負い投げに大外刈りを合わせて技ありを奪い、逃げきった。これで秋本に次ぐ2番手だった代表争いは混沌(こんとん)。篠原監督も「並んだ」と評価した。自身も「来年の五輪が、少し見えたと思う」とにんまり笑った。