<世界柔道>◇27日◇男子100キロ超級◇パリ・ベルシー体育館

 全日本王者の鈴木桂治(31=国士舘大教)の復活はならなかった。3回戦で大柄なイラン選手になかなか技を仕掛けられず、指導を3つ受ける苦しい展開。試合終了とほぼ同時に小外刈りで技ありも奪われ、相手の総合勝ちで敗れた。「勝てないっすね。技を出せなかった。ダメでした」と汗をぬぐいながら悔やんだ。

 「崖っぷち」と自らを追い込んだ今年。ケガもなく激しく追い込み、4年ぶりに全日本王者に輝いた。少しずつ復活の道を歩んできた。だが、世界の壁は高かった。「すごく悔しいし、もっと悔しさが込み上げてくると思うので、辞めるなんて絶対に言わない。引退することはありません。ただ、簡単に『五輪』という言葉も発せられない。反省し直して、ああいう(大柄な)相手でも勝てるようにするしかない」。

 04年アテネ五輪の金と、08年北京五輪の惨敗。3度目の五輪に挑戦するために、もう1度、出直しを誓った。