<高校ラグビー:桐蔭学園27-26東海大仰星>◇準々決勝◇3日◇花園

 昨年準優勝のAシード桐蔭学園(神奈川第2)が、東海大仰星(大阪第3)に勝ち、4強に進んだ。後半27分にCTB浜野大輔(2年)が右中間に逆転トライを決め、ノーサイド寸前、決まれば逆転のPGを相手が外して競り勝った。

 電光掲示板は残り30秒を切っていた。桐蔭学園は1点リードして、自陣ゴール前でペナルティー。左中間22メートルライン上からの相手PGが外れ、WTB竹中が蹴り出しノーサイド。勝利の瞬間、極限状態の選手たちは号泣した。SO小倉主将は「入ってほしくなかった。でも少し時間があったので、入ったときと入らなかったときの次のことを考えていました」と振り返った。

 藤原監督が「完敗でした」という試合を救ったのはFB松島の快走。前半9分に自陣22メートルラインのラックから60メートルを独走、フランカー諫山のトライを演出。同25分には80メートルを独走して、自ら中央に飛び込んだ。卒業後は南半球最高峰リーグ「スーパー14」のシャークス(南アフリカ)入りする松島は「勝ててホッとした。最高のプレーができた」。藤原監督も「ここで活躍できなきゃ、向こうでも駄目。でも、今日は松島サマサマですね」と褒めた。

 決勝トライの浜野は、早大のフランカーだった父俊文氏から「タックルは足首に行け」と5歳からたたき込まれた。「CTBだから意識しているのはディフェンス。でもトライはうれしい」と話した。次の準決勝は昨年と同じく大阪朝鮮高。2年連続で破り、決勝へ臨むつもりだ。【小谷野俊哉】