<バレーボール:全日本高校選手権:東北2-0安来>◇初日◇男子1回戦◇5日◇東京体育館
男子は東北(宮城)が安来(島根)を下し初戦突破した。
東北の江間良幸監督(38)が全国初勝利を挙げた。佐々木繁雄総監督(60)の後を継いだ09年10月の新潟国体と10年3月の選抜大会で敗れ、三度目の正直で全国1勝をつかんだ。「1、2年生で戦った割には、まあまあ」と手応えを感じての勝利だった。
10月の県大会突破後、3年生が「出場権を後輩に贈ります」と申し出た。引退して譲った舞台だったが、1人だけ3年生が出場した。リベロの阿部宗己だ。「春高で未勝利のまま卒業したくなかった」。1、2年時は初戦敗退。「最後のチャンスに挑まず終わっていいのか」と悩んだ末に現役続行を決断し、同期がいない体育館で下級生と汗を流した。この日は安定したレシーブで若いチームを支えて勝利に貢献。「勝ててホッとした」と素直に言った。そして「僕らのせいで負けていた江間監督に勝利を贈れてうれしい」と心残りを吹き飛ばした。【木下淳】