24年シーズンもいよいよ終盤、ヒリヒリする展開に突入したドジャース大谷翔平。彼の今まで見たことも無いシーンや表情、舞台裏を、8月後半に再渡米したカンビンことニッカンスポーツ・カメラマン菅敏(すが・さとし)が選りすぐりの写真とともに語ります。
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最近ずっと気になっているのが、ネクストバッターズサークルで準備をする大谷翔平選手のルーティンです。選手それぞれが独自のやり方で滑り止めを使っているのが面白いですよね。例えば、ちょちょいっと適当に済ませる選手もいれば、特別な布で包んだ固形タイプを丁寧に取り出して使う選手、あらかじめゲルタイプをバットにべったり塗っておく選手、そしてスプレーを隅々まで吹きかけるタイプもいます。
さて、大谷選手はというと、以前はスプレーを一拭きするか、ゲルタイプをちょこっと付けるくらいでしたが、最近は少し違います。まず目の前にスプレーをシュッと吹きかけて、その霧が落ちる前にバットをくるくる回しながらグリップに付着させます。まるで綿菓子を作っているかのようで、その様子が見ていてとても楽しいです。
こんな感じでスプレーを満遍なくつけるやり方は、香水を身体全体にまといたいときのテクニックと似ていますが、理にかなっていて何よりカッコいいですね。
そして迎えた9月29日のシーズン最終戦。この日もバットくるくるが見られました。シーズンを通しての成績は本塁打54本、打率.310、197安打、130打点。もしかすると、このルーティーンが彼の素晴らしい成績に貢献しているのかもしれません。こうした姿を見て、これを真似したくなる野球少年たちも出てくるんじゃないかと思います!【カメラマン・菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンのWEEKLY SHO!Time!!」)