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５回裏韓国１死、打者高永民の左安打を逆シングルで捕球した内川

＜ＷＢＣ：日本５－３韓国＞◇２３日（日本時間２４日）◇決勝◇米カリフォルニア州ロサンゼルス、ドジャースタジアム

　セ・リーグ首位打者の内川聖一内野手（２６＝横浜）が、３安打２得点の活躍で連覇への道筋をつくった。二足のわらじを履く外野の守備でもファインプレーを見せて先発岩隈を救った。優勝の瞬間は、右太もも裏肉離れで代表から離れた村田修一内野手（２８＝横浜）のユニホームを持って喜びを分かち合った。チームの先輩の無念を晴らす働きだった。

　決勝のホームを踏んだ内川は両手でガッツポーズを繰り返した。延長１０回、イチローの決勝中前打に雄たけびを上げながら生還した。６番左翼での先発起用に応えて３安打２得点。昨季のセ首位打者が意地で勝利を手繰り寄せた。

　内川　これだけ（チームメートが）いる中で、僕だけが決勝のホームを踏んだんです。たまらんすっ。優勝の瞬間は夢の中にいる気分でした。最後の瞬間までレフトを守ることができてうれしい。これからの野球人生においても自信になります。

　韓国に同点に追いつかれた直後だった。延長１０回、内川のバットが勝ち越し劇の起点となった。「僕が出塁すれば暗いムードも変わると思った」。韓国の守護神・林昌勇の勝負球、外角スライダーに食らいついて右前にはじき返した。

　８回の３点目も内川が踏んだ。１死から、外の変化球を逆らわずに右前へ打ち返した。左腕殺しで起用される内川だが、この日は先発左腕の奉が降板した後も、交代指令が出なかった。８回の鄭現旭、延長１０回の林はいずれも右投手。「左投手以外は外されていた悔しさもありました」。ヒットマンの血が騒いだ。

　所属の横浜では一塁専門だが、左翼の守備でもチームを救った。韓国の５番秋信守のソロで同点とされた５回だ。１死から７番高永民のライナー性の打球を逆シングルながらショートバウンドで捕球。素早く二塁へ送球して刺した。「ホームランで追い付かれた直後だったんで、絶対に進塁させちゃいけないと。無我夢中で投げたボールが僕の予想以上にきれいに行ってくれまして。あのプレーには僕が一番驚いています。守備でほめられることはないんで、ちょっと背中がむずがゆいです」。韓国へ傾きかけた流れを断ち切った。

　横浜の先輩村田の無念を晴らすべく、決勝の舞台に立った。この日は村田のユニホームをバッグに忍ばせて球場入りした。「村田さんの活躍を日本の人に伝えたかった」。優勝トロフィーのてっぺんに村田のユニホームを掲げた。「村田さん、帰国したらほめてくれるかな」。勝利の喜びを村田と一緒に味わいたかった。【山内崇章】

　［2009年3月25日8時45分　紙面から］

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