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６回表終了後、電光掲示板に「ＷＢＣ日本優勝」の文字が表示された

　おめでとう世界一！　サムライジャパンの誇りは、みちのく戦士の誇り－。日本のＷＢＣ連覇に、岩隈久志投手（２７）らが所属する楽天の本拠地・仙台など、みちのくも歓喜に包まれた。侍ジャパンには、東北にゆかりのある選手が６人いる。それぞれの関係者は２４日、世界一の瞬間を感慨深げに見守った。仙台市内には所々に街頭テレビが設置され、昼休み中のサラリーマンや、終業式を終えた高校生らが立ち止まり、声援を送った。

　◆楽天対西武のオープン戦が行われたＫスタ宮城では６回表終了後、電光掲示板に「ＷＢＣ日本優勝」の文字が表示され、大歓声が上がった。球場内ラウンジバーには、３５人の定員を上回るファンが、テレビにかじりついた。７日に東京ラウンドの日韓戦（１４－２）を観戦したという大西孝明くん（８）は「いいピッチングだった。岩隈みたいなピッチャーになりたい」と興奮気味に夢を語った。

　◆楽天山崎武が岩隈の気迫の投球に驚いた。「あれだけ喜怒哀楽を出すのは珍しいよね」とニヤリ。重圧に打ち勝った岩隈と田中に「いい財産になったと思う。おれたちにも（経験を）教えてほしいね」と話していた。中村紀も、オーストラリアに敗れ銅メダルに終わったアテネ五輪で僚友だった岩隈を祝福。「（キューバ戦で）負けられない試合で勝てたのが良かったと思う」。決勝での好投に「ＭＶＰかと思ったけどね」と、たたえていた。

　◆７番ＤＨで出場した広島栗原の母順子さん（５５）は、山形・天童市内で営む焼き肉店で地元の小学生ら約２０人とテレビ観戦。「本当に勝って良かった」と興奮気味に話した。１－０の３回表１死満塁の好機を併殺でつぶしたが「出国する前に『見逃し三振だけはダメ』って電話しました。（栗原）健太もメダルをもらえるんですか？」と興奮が冷めなかった。

　◆ダルビッシュ（日本ハム）の母校・東北（宮城）は、仙台市内の小松島校舎で職員がテレビにくぎ付けとなった。野球部は２３日から埼玉に遠征中で、この日は鷲宮との練習試合に６－４で勝利。五十嵐一彌校長（６２）も「学校としてうれしい限りです」と喜んだ。また小松（オリックス）の母校・勿来工（福島）野球部の鈴木康雅監督（２９）も「後輩たちのいい励みになります」と話した。

　◆石原（広島）の母校・東北福祉大ナインも、先輩がつかんだ栄冠を誇りにした。主力組は岐阜に遠征中で、この日はトヨタ自動車との練習試合に２－６で敗北。試合後に勝利を知り、喜び合った。山路哲生監督（４２）は「石原は活躍はしませんでしたが、選ばれるだけで光栄。同じように日の丸を背負うような選手が育ってほしい」と後輩に期待した。

　◆仙台市の百貨店、藤崎前の街頭テレビには、多い時で約５０人が集まった。庄司弘さん（６８）は中学時代の同窓会の打ち合わせ前に立ち寄った。「気になってしょうがなかった。岩隈は宮城の誇り」と笑みを浮かべた。クリスロード内では常盤木学園の女子高生２人が観戦。菅原温美さん（３年）は「岩隈とイチローが好き。イケメンだから」とはにかんだ。

　［2009年3月25日11時4分　紙面から］

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