11月3日にデビュー25周年を迎えた嵐の松本潤(41)がロンドンの舞台に立った。野田秀樹作・演出、そして松本が主演するNODA・MAP「正三角関係」ロンドン公演が10月31日から11月2日までサドラーズ・ウェルズ劇場で行われた。

英国の情報誌「Time Out」のライターは事前に来日し、「正三角関係」の大阪公演を観劇して、野田にもインタビューした記事が公演直前に掲載された。そこでは松本にも触れていて、「この作品を見た時、観客の多くが一人の男を見に来ていることは明らかだった。長男を演じるJポップグループ嵐の松本潤だ」と書いていた。

ロンドン公演後には、新聞をはじめ、ネットなどさまざまな媒体で劇評が出ている。その1つは松本を「41歳にしてアジアでは超有名人」と紹介した上で「彼は魅力的な存在感を持つパワフルな舞台俳優でもあり、じっと沈黙している時でも、彼のキャラクターは永続的で磁力のようなパワーを持ち続ける」と高く評価していた。

昨年主演したNHK大河ドラマ「どうする家康」を終えた後、松本は旧知の間柄だった野田と舞台で初めてのタッグを組むことを選択した。それが「正三角関係」で、7月11日に東京公演の幕を開け、ロンドンでの大千秋楽まで約4カ月に及ぶ長丁場になった。公演に出演することが発表された時に「これまでの自分を越えていけるよう試行錯誤していきながら、より野田さんの世界観の中で描かれるキャラクターに近づけるように演じていく」とコメントしていた。

ロンドン公演の初日では、満員の観客の拍手が鳴りやまず、カーテンコールが10回ほども続いたという。ロンドンで10回も続くのは異例なことだろう。野田の舞台に出るという、松本の選択に間違いはなかった。【林尚之】